2016.02.17

カンプノウ並みの衝撃。吹田スタジアムでサッカー観戦が変わる

  • 杉山茂樹●文 text & photo by Shigeki Sugiyama

 ピッチが近い。おそらく日本で一番。ゆえに観客は臨場感を存分に満喫できる。1階席の前列に陣取れば、選手がボールを蹴る音、タックルする音、息づかいや、ベンチからの指示等々も聞こえてくる。ガンバ大阪長谷川健太監督は「スタンドが至近距離に迫っているので、サポーターと目が合いやすい。振り返ることに勇気が要る」と苦笑いした。

 しかし、1階席で観戦するか、上階で観戦するかと問われれば、僕は後者を選択する。半分身を乗り出して、のぞき込むようにして目を凝らす。まさに俯瞰の眺望こそが、吹田サッカースタジアム最大の売りだ。

2月14日、G大阪対名古屋の試合が行なわれた吹田サッカースタジアム 眺望抜群のスタジアムで想起するのは、バルセロナのカンプノウだ。その正面スタンド最上階に設置された記者席からピッチを見下ろせば、それまで築き上げてきた概念は一変する。サッカーが違うものに見えた記憶があるが、吹田スタジアムでは同種の衝撃を味わうことができる。

 碁盤や将棋盤に目を落とす感覚。飛んだり、蹴ったり、跳ねたり……ではないもの。長考が求められる、知的で複雑な競技にサッカーが見えてくる。関ヶ原の戦いのような合戦を、高い位置から見下ろしている感覚といってもいい。