絶望的状況の栃木SC。「底なし沼」J3降格が意味するものは?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 長田洋平/アフロスポーツ●写真 photo by AFLO SPORTS

 11月8日、J2リーグ第40節。北九州市立本城陸上競技場では、篠突く雨がスタンドとピッチを濡らしていた。
 
 J2最下位の栃木SCはギラヴァンツ北九州の本拠地に乗り込み、残留を懸けて戦っていた。最下位はJ3への自動降格、21位は入れ替え戦を行なう。負けられない栃木は前半から出足で優り、2度にわたってリードしている。双方が得点を入れ合うシーソーゲームとなったが、1-2で迎えた後半アディショナルタイム、栃木はCKから同点弾を決められてしまう。2試合連続での終了間際の失点によるドローだった。

 土壇場で追いつかれた理由は、チームとしての練度が低すぎることもあるだろうが、流れを失うと取り戻せず、"負けに慣れている"という心理が作用しているのかもしれない。自信の欠如であり、降格への恐怖というのか。同節に21位の大分トリニータが敗れたため、差は3ポイントに縮まったものの、リーグ戦は残り2試合でJ3降格が真実味を増している。

開幕以来、チームを支えてきた栃木SCサポーター開幕以来、チームを支えてきた栃木SCサポーター 栃木がJ2最下位の順位にいるのには、複数の理由があるだろう。

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