2015.10.17

カズに次ぐ44歳のJ戦士・永井秀樹「国見高3年間の貯金がある」

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 1992年、永井はヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ)に入団している。三浦知良、ラモス瑠偉、武田修宏、北澤豪、柱谷哲二らと2年連続のJリーグ年間王者、3年連続のナビスコカップ優勝を達成。「格好良くて強い」が代名詞だったヴェルディ黄金期の一員だった。

 1995年からは、福岡ブルックス(現在のアビスパ福岡)、清水エスパルス、横浜フリューゲルス、横浜F・マリノスなど、複数のクラブを渡り歩いた。その間、ナビスコカップ、天皇杯、Jリーグのステージ優勝など、各クラブで経験。2003年にはヴェルディを自ら退団後、1年間の浪人生活を送るも、2004年からは地元の大分トリニータで復帰している。そこからは、FC琉球、東京ヴェルディを行き交い、現役プロ生活24年目になる。

「『44歳になって、よくサッカーできますね?』と驚かれるんです。でも正直、自分はフツーにやっているだけなんですよ。秘訣なんて何もない」

 永井は肩を竦(すく)めて言う。

「強いて言えば、理不尽の連続に耐えられる、というのはあるかもね。国見高校での3年間の貯金が一番大きい。今のユース年代は週末に試合があったら、月曜は休みになったりしますけど、国見は一年365日で、休みはお盆の一日だけ。朝練して、夜も練習。夏休みは朝8時から夜6時まで、ひとつだけテーマを決めて、例えばサイドの1対2で挟み込むというメニューを延々とやる。週末は、1日3試合は当たり前。(学校の裏にある)たぬき山を10km走るんだけど、これが少しもサボれない。町中に情報網が張り巡らされているから(笑)。今考えるとフツーじゃないと思うけど、あの3年間があったから、自信がついた。理不尽なことも多かったけど、だから今もやれているんじゃないかと思うんですよ」