勇躍・武藤雄樹の本性。「妻の言葉が、レッズ入りを決断させた」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

レッズのファーストステージ優勝に大いに貢献した武藤雄樹。レッズのファーストステージ優勝に大いに貢献した武藤雄樹。――悔いを残したくないからこそ、簡単な決断ではなかったと思いますが、決断するうえで、最も背中を押されたというか、挑戦しようと思えたアドバイスって、ありました?

「いろいろな方からアドバイスをいただいて、それこそ『出られるチームに行ったほうがいい』っていう意見もあったんですけど、やっぱり一番は、妻の言葉ですね。あまりにも悩み過ぎて、ちょっとイライラしちゃったんですけど(笑)、そんなとき妻から『レッズに行っても試合に出られないかもしれないって思ってるの? 行ってみなきゃわからないじゃない。勝負してみたら』って言われて。その言葉は、大きかったです。もうひとつは、大学の先輩でもあるウガさん(宇賀神友弥/レッズ)。『もし(試合に)出られなかったとしても、ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)のサッカーを経験すれば、成長することは間違いないから』って言ってくれて。それも大きかったです」

――いい奥さんと先輩を持ちましたね。

「そうですね。そのふたりにはすごく背中を押してもらったと思います」

――では改めて、東アジアカップが武藤選手に与えてくれたものとは、何でしょうか?

「日本代表というものが、手の届く存在だっていうことがわかったので、意識はかなり高まったと思いますし、またあの場に行きたいっていうふうに思えるようにもなって」

――欲が出てきました?

「はい。やっぱり今までは、『日本代表の自分』を思い描くのが難しくて、少し離れたところでやっているもの、っていう感覚があったんですけど、今は自分が結果を出しさえすれば選んでもらえるはずだって思えるので、代表に対しての欲が、ものすごく出てきた。もっと結果を出して選ばれたい、代表でも活躍したいっていう気持ちが今、本当に強いです」

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