勇躍・武藤雄樹の本性。「妻の言葉が、レッズ入りを決断させた」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

――「3年目に日本代表だ!」と意気込んでプロの世界に飛び込んだにもかかわらず、ゴール数は1年目が1点、2年目も1点、3年目に至ってはノーゴール。焦りは、なかったですか?

「焦りは......ありましたね。それに、これだけ結果を出せないと、『俺はもう、点が取れないんじゃないか』ってネガティブな思考に陥ることもあって......。日本代表以前に、大卒選手なのにこれだけ試合に出られないってことは、年齢を考えても、生き残るのが難しいかもしれないなって」

――レギュラーとして試合に出られないことに悩み、出場してもFWとしてプレーできないことに苦しみ......。

「そうですね。3年目に期限付き移籍することを考えたんですけど、真剣にチームを変えることを考えるようになったのは、4年目が終わったとき。それで、こうしてレッズに来たわけですけど、それ以外にも選択肢があったので、当時は本当に悩みましたね」

――いくつかあった選択肢の中から、レッズを選んだのは、当初の青写真どおり、日本代表という夢から逆算してのことですか?

「いや、そこはもう、日本代表からの逆算じゃなくて、本当に、シンプルに、ただただ最後、自分自身に期待しただけです。(レッズの他に)試合に出られそうなチームからのオファーもあって、正直に言うと『そのチームに行こうかな』って思った時期もあったんです。でも、レッズというビッグクラブが声をかけてくれて、もしそこで活躍できれば、自分のサッカー人生がもう一度、グッと輝くんじゃないかって考えたら......。もう26歳だし、これが最後のチャンスかもしれない。だったら、悔いのないように、自分に期待してみようって」

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