6連勝で首位を快走するアントラーズ。その強さは「本物」か (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 転機となる東京戦を苦しみながらも2-1で制すると、Jリーグ屈指の名門クラブは鮮やかに息を吹き返した。その後は、セカンドステージで首位を争うサンフレッチェ広島に1-0で勝利したのをはじめ、5戦全勝という急回復を遂げた。

 数字のうえでも変化は見える。ファーストステージでは1試合平均1.59点(17試合27得点)だった得点数は、セカンドステージに入り、同2点まで伸びた(9試合18得点)。大幅な得点力アップは好調の証である。特に最近の3試合は、3試合連続3得点という量産ぶりだ。

 だが、MF柴崎岳の見立ては少々異なる。23歳にしてチームの中心を担うボランチは、「普段からいい練習ができていることが、連勝を続けられる要因になっている」と言い、好調の理由についてこう語る。

「守備が安定してきて、失点も少ない。いい守備から攻撃につなげることができている」

 柴崎の言葉どおり、ファーストステージの鹿島は1試合平均1.47点(17試合25失点)を失っていたが、セカンドステージでは同0.89点(9試合8失点)まで失点を減らしている。石井監督就任後の6試合に限れば、同0.67点(6試合4失点)と、さらにその傾向が顕著になる。

 もともと、鹿島は伝統的に、攻撃力を売りにした派手な勝ち方をするクラブではない。水も漏らさぬ堅実な試合運びで勝ち点を重ねていくのが、鹿島の強さだと言っていい。

 確実に失点を1点以内に抑えたうえで、2点以上を取って相手を振り切る。総得失点数からも、鹿島らしい強さが戻ってきたことがうかがえる。

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