福田正博が分析。ハリルJの「決定力不足」の原因は何か (4ページ目)

 そうした、ゴールを決めるまでのパターンを細かく設定して、それを忠実に実行することは、日本人が得意とすることだと私は思っている。ハリルホジッチ監督にそういった日本人の良さを最大限に引き出してもらい、世界を驚かせるようなサッカーを実現してもらいたい。

 就任してから5カ月という短期間で、選手たちの意識は大きく変わってきた。これは監督の強烈なキャラクターや影響力の大きさに加えて、日本人特有のメンタリティも関係していると私は考えている。

 ハリルホジッチ監督がこれまで指導してきた、アルジェリア代表、コートジボワール代表の選手であれば、枠を決めて「ここから出ないように」と指導しても、その枠を外れて自分がやりたいプレーをすることがあるだろう。そのため、そうした規律を乱す選手に対しては、強い言葉や態度で指導して、戦術を徹底させる必要がある。

 それに対して、日本人選手は協調性が高く、規律を守るため、監督やコーチが厳しい言葉を使わなくても指導に従う。良く言えば「規律正しい」のだが、悪く言えば「言われたことしかやらない」。極端に言うと、「縦に速く!」と言われたら、それしかやらなくなるのだ。

 そのため、ハリルホジッチ監督がフランスやアフリカの選手たちに対して行なってきたこととまったく同じ指導を日本人選手にすると、それが裏目に出る可能性もある。それは、東アジアカップの試合展開でも散見された。

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