日程のせいではない。日本がACLで勝てない決定的理由 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images Sports

 その理由を探せば、いくつか挙げられるだろう。例えば過去6年で5度ファイナルに進んでいる韓国のKリーグクラブは、高く強いDFと厳しいチャージを特長とし、相手の良さを潰すリアクションフットボールを得意とする。強引にでも縦に放り込み、一発のあるパワー&スピード系CFに託す。"リスクヘッジ"をしながらリターンを得る、トーナメント向きの戦い方と言える。

 一方で日本のチームは丁寧にボールをつなぐ能動的スタイルが主体のために綻(ほころ)びも出やすく、そこを付け狙われる。

 2月25日。鹿島アントラーズは昨季王者のウェスタン・シドニーを相手に果敢に攻めるも、1-3と敗れている。2失点目、3失点目はいずれも自陣でつなごうとしたボールを奪われており、攻から守、守から攻のトランジッションでイノセントすぎた。Jリーグはリトリートして守るのが基本で、こうした部分の練度が低いまま。国内で絶賛される柴崎岳は、ボランチとしてボールを失う回数が多すぎた。

 しかし、"敗因の限定化"に大きな意味はないだろう。

 近年は、アジアのクラブ全体が底上げされている。昔と違い、簡単に勝てる相手はいない。例えば、2013年王者の広州恒大のように中国スーパーリーグのクラブはマネーパワーでアジアを席巻しつつある。

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