鹿島・小笠原満男が知っている「2007年を再現する方法」

  • 小室 功●文 text by Komuro Isao
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「4強」の主力が語る優勝争い(3)
鹿島アントラーズ・小笠原満男編

 7月12日、天皇杯2回戦で鹿島アントラーズはソニー仙台FC(JFL)に足元をすくわれた。

 ソニー仙台FCは格上相手に、腰が引けて自陣に引きこもってしまうような戦法を敷いてきたわけではなかった。アグレッシブに仕掛けていって、鹿島がその勢いを食い止めることができなかった。結局、鹿島は開始から28分までに2点のリードを許すまさかの展開。前半のうちに追いついたものの、最終的にPKで不覚をとった(2-2/PK1-2)。

 いや、「大失態」と言っても過言ではないだろう。

「常勝」をうたう鹿島にとって、3つ下のカテゴリーに属すソニー仙台FCに土をつけられるなど、やはりあってはならない。しかも、ホームのカシマスタジアムで、だ。

勝利のために黙々とプレイし、チームを引っ張る小笠原満男。勝利のために黙々とプレイし、チームを引っ張る小笠原満男。 誰よりも負けず嫌いのキャプテン・小笠原満男は、この結果に歯ぎしりし、人一倍責任を感じていた。翌日、緊急の全体ミーティングが行なわれ、普段は言葉より背中で語ることが多い"闘将"が、選手たちの前で重い口を開き、檄を飛ばした。

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