浦和・柏木陽介の覚悟「3年も同じ失敗はできない」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「4強」の主力が語る優勝争い(1)
浦和レッズ・柏木陽介編

 浦和レッズがJ1制覇へ向け、着実に歩を進めている。

 10月5日に行なわれたJ1第27節。豪雨に見舞われ、ピッチに水が浮く悪コンディションの中、最下位・徳島ヴォルティスと対戦した浦和は、相手に先制を許しながらも2-1の逆転勝利。残り7試合で、2位ガンバ大阪との勝ち点差を7まで広げ、2006年以来8年ぶり2度目となるJ1優勝に大きく近づいた。

 今季の浦和は、安定した戦いぶりが目立つ。ブラジルW杯による中断期間前の第14節(5月17日)までを9勝3敗2分けで終えると、再開後の第15節(7月19日)から第27節までの13試合でも8勝2敗3分け。ほぼ変わらぬペースで勝ち点(56)を積み重ねてきた。今季連敗は一度もなく、大きく調子を落とすことがない。

 ただ、少々気になるデータもある。

 中断前の14試合を振り返ると、得点19、失点9と、少ないゴールでも堅実に勝ち切る試合が目立った。この間の無失点試合は実に9を数える。

 ところが、中断明け後の13試合では、得点27、失点13。前半戦に比べると、"出入りの激しいサッカー"になっていることがわかる。無失点試合の数も5まで減っている。

 安定して勝ち点を稼いでいるように見えて、その実体は落ち着かない大味なサッカーになっているのかもしれない。だとすれば残り7試合、ちょっとしたきっかけで失速してしまったとしても不思議はない。

柏木陽介の活躍なくして、レッズの優勝は語れない。柏木陽介の活躍なくして、レッズの優勝は語れない。 そこで、浦和のMF柏木陽介に疑念をぶつけてみる。勝ってはいるものの、浦和のサッカーが不安定なものになっているのではないか、と。

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