ドイツの「走るサッカー」はJでは10年前から当たり前 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

「よく走る」のは当たり前。にもかかわらず、それが特筆されるのは、まだスタンダードとして浸透していない証拠である。

「全体をコンパクトにして高い位置でボールを奪い、スイッチを入れ続けてゴールへ向かう」

 自分たちの目指すサッカーのスタイルをそんな言葉で表す曺監督にしてみれば、「ハードワーク=当たり前」。それなくして"湘南スタイル"は実現しない。

 現在、J1で2位につけている鳥栖についても同じことが言えるのだろう。鳥栖の躍進を支えているのもハードワーク。とはいえ、彼らは今季突然、「よく走る」ようになったわけではない。

 もちろん、ワールドカップで世界の潮流を知ることは大切であり、いいものは取り入れるべきである。

 だが、隣の芝生を眺めてトレンドを語る前に、まずは自らを律する必要があるのではないだろうか。それなくしてJリーグのレベルアップは実現しない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る