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神戸躍進のカギを握る男が、中村俊輔から学んだこと

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburou

7月特集 Jリーグから始めよう(6)

 全世界注視のワールドカップも閉幕し、日本ではJリーグが再開した。

 J1はワールドカップ開催にともなう中断期間のロスを取り返すかのように、7月19日の再開から早くも23、27日と、中3日での"3連戦"が組まれた。酷暑の日々が続くなか、各チームはここで後半戦へ向けたいい流れを作りたいところだろう。

 7月23日の第16節終了現在、優勝争いは浦和が勝ち点35で2位の鳥栖に4点差をつけ、頭ひとつ抜け出しているが、まだまだ予断を許さない。2位以下はわずかな勝ち点差で多くのクラブが続いている。(3位川崎勝ち点30。4位鹿島勝ち点26。5位広島勝ち点26)

 そんななかで健闘を見せているのが、今季J2から昇格してきたばかりの神戸である。

 現在、勝ち点25で6位につける神戸の売りは、破壊力のあるアタッカー陣。FWマルキーニョス、ペドロ・ジュニオール、MFシンプリシオのブラジル人トリオを中心に、これまで総得点27を叩き出している。これは川崎(29)、鹿島(28)に続く、リーグ3位の数字だ。

 個人の得点ランクを見ても、ペドロ・ジュニオールが10点でトップタイ。マルキーニョスも7点で4位タイにつけている。

 ところが、中断明けからの2試合、自慢の攻撃は湿りがちだ。2試合合計で1点しか取れておらず、それが響いて1分け1敗と勝ち点もあまり伸ばせていない。中断前は3位につけていた順位も、ジワジワと下がってきているのが現状だ。

 第16節の横浜FM戦を見ても、DFラインからのビルドアップがうまく進まず、いい形で前線にボールをつなげていない。前線のマルキーニョスやペドロ・ジュニオールが孤立しがちで、その結果、チャンスが思うように増えていかないのである。

「距離感が遠く、間延びしてしまい、コンビネーションを生かすより、(選手個人による)単独の攻撃になってしまった」

 神戸の安達亮監督はそう語っていたが、前線の破壊力を生かし切れないもどかしさが90分を通じて漂っていた。先制しながら追加点が奪えず、結果は1-1のドローである。

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