コートジボワール戦。大久保嘉人をワントップに推す理由 (2ページ目)

 大久保は、コスタリカ戦では2列目の右サイドで出たが、私はザンビア戦の途中からプレーしたワントップで使うべきだと思っている。なぜなら、2列目は特長が異なる絶対的な3人がそろっているからだ。本田、香川真司、岡崎慎司。2列目はこの3人が先発するべきだ。

 大久保が選ばれた理由のひとつは、ワントップでJ1得点王という結果を残したからだろう。ゴールに対しての意識が非常に高く、ミドルレンジからでもシュートを狙う。シュートに対しての積極性があることは、相手DFに怖さを植え付け、相手の守備を混乱させることにつながる。そうした大久保のプレースタイルがチームを引っ張っていく。たしかに、前回の南アW杯で2列目のサイドでプレーしたように、大久保は2列目で攻撃も守備もできる能力の高い選手だが、今の彼の力はワントップでこそ生きる。それが、日本代表のためになると私は思う。

 私としては、初戦のコートジボワール戦は、ワントップの先発は大久保でいってほしいと考えている。初戦はもっとも重要な試合であり、結果が求められる。プレッシャーがかかる非常に難しい試合になるだろう。試合の流れを読みながら、状況を見て戦い方やプレーを変えなければいけない。だからこそ、経験のある大久保を使ってほしい。大久保を途中からジョーカーとして使う考え方もあるが、初戦でその役割は若い柿谷でもできるのではないだろうか。

 もちろん、若い選手の勢いも必要だが、プレッシャーがかかった状態で試合の入り方を間違えると、混乱したまま何が起きているか分からない状態で試合が終わってしまいかねない。だからこそ、前回のW杯出場経験のある大久保を起用すべきだ。経験のある選手が安定したプレーをすることが、チームに落ち着きをもたらす。

 また、ゴール前では、自信のある選手、結果を残している選手が落ち着いてプレーできるものだ。そういう意味で、大久保はゴール前で非常に落ち着いてプレーできている。身体のキレを見ても、会見での表情を見ても、大久保は自信に満ちているし、「やってやろう」という気持ちが伝わってくる。「失敗したらどうしよう」というネガティブな感情はない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る