2013.10.02

【Jリーグ】2ステージ制導入前に言っておきたいこと

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke photo by Getty Images

 セレッソ大阪は柿谷曜一郎、山口螢ら若手の育成に成功し、ファンを増やしているじゃないですか。マリノスにもユースのころから齋藤学を応援してくれているファンがいます。今季は齋藤の活躍もあってチームの成績が良く、観客動員数も伸びているんです。そう考えると、2ステージ制を導入するなら、ファンを増やす方法はあるんですよ。ファンサービスも大事だけど、選手の質を上げることはもっと大事。将来的に選手、チームの質を高めることを考えると、早急にクラブに収益を回して育成を強化すべきです」

杉山茂樹(サッカージャーナリスト)
「年間チャンピオンは別で表彰すべき」

「優勝より降格のほうが、その後のクラブの命運が大きく変わる可能性があります。大げさに言えば、J2に落ちると、会社の規模が半分になるくらいの影響があるんですね。だからこそ、降格チームの決め方は、フェアに年間勝ち点で決めるべきです。前・後期の17位、18位でプレイオフみたいなことをやるべきではありません。ACLの出場権も、年間勝ち点の上位チームに与えるのがフェアですよ。プレイオフに出場するチームが重なった場合、僕は各ステージ3位チームを繰り上げる必要はないと思います。

 2ステージ制の問題は、真のチャンピオンである「年間最多勝ち点チーム」に対する重みがなくなること。年間チャンピオンを称えるためにはタイトルを作り、Jリーグチャンピオンと別で表彰すべきです。ふたつのタイトルをどう評価するかは、メディア、ファンに任せればいい。受け取る人が、それぞれのタイトルの重みを感じてくれればいいんです。

 Jリーグも認めるように、本来は1ステージ制のほうがいいに決まっていますが、地上波の視聴率が5パーセントにいかない現状を考えると、変えることには賛成。問題は、エンターテインメント性をどうやって高めていくかです。そのひとつとして、現在のJリーグではクラブ名に地域の名前が含まれていなければいけないと規定されていますが、これも変えればいい。独自の判断で、企業名をつけてもいいことにすればいいと思います。現在は18クラブの名前がフラットに並んでいますが、それでは魅力がないですよ。例えば名古屋グランパスではなく、トヨタグランパス。パナソニックガンバでいいし、サンフレッチェではなくマツダでいい。要は、各クラブがファンに対する訴求力を考えろということです。親会社の母体がないクラブもありますが、例えばベガルタ仙台はそのまま地名を残したほうが、訴求力があるでしょう。企業名ではなく、大学名でもいいと思います。オール慶応やオール早稲田がJリーグに参戦し、早稲田対慶応が行なわれれば盛り上がるでしょ? クラブの名前に地域名を入れるのはヨーロッパを参考にしたからですが、何でもかんでもマネをする必要はありません。Jリーグを良くしていくには、いろんな人がいろんなことを言うようになっていかなければと思います。いろいろやってみて、ダメなら練り直せばいいんです」

 2015年から2ステージ制が採用される一方、Jリーグ側も認めているように、本来の理想は1ステージ制だ。ただ、2ステージ制の導入を決定した以上、少しでもファンに対して納得のいく形にしていかなければならない。まだいろんな意見があるだろうが、今回、話を聞いた識者の意見をまとめると、年間勝ち点の重みをいかに開催方式に反映できるかが、ひとつのポイントとなりそうだ。スポルティーバでは今後も、2ステージ性のあり方について考えていきたい。

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