残り7試合。今後の日程から分析するJリーグ優勝の最右翼 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by AFLO

 つまり過去のデータから考えれば、首位・横浜FMが圧倒的優位な状況にあるのは間違いない。4位・鹿島の後ろにも勝ち点44で並ぶFC東京、セレッソ大阪が追っているが、現実的な優勝の可能性は、広めに見積もっても4位鹿島までに絞られていると考えていいだろう。

 さて今季のJ1には、シーズン終盤の優勝争いを占ううえで、確認しておきたいいくつかのポイントがある。

 ひとつは残り7節の間に、日本代表のヨーロッパ遠征(10月12日セルビア戦、15日ベラルーシ戦、11月16日オランダ戦、19日対戦相手未定)による中断期間が2度あること。そして、2度の中断期間を利用して天皇杯の3、4回戦と、ナビスコカップ準決勝が行なわれること。さらに11月2日にはナビスコカップ決勝が行なわれ、そこでもリーグ戦が1週飛ばされるということだ。

 つまり、各クラブとも残りはわずかに7試合とはいえ、リーグ戦だけを取り上げればラストスパートに集中しづらい状況にある。

 日本代表については、上位4クラブとも多くの選手が招集されるという状況にはなく、主力が長くクラブを離れるデメリットに大きな差はない。また、天皇杯についても4クラブとも勝ち上がっており、3回戦で敗れない限り条件は等しい。

 ただし、横浜FMと浦和はナビスコカップにも勝ち残っており、天皇杯と並行して戦うために10月の試合間隔が詰まってしまう。10月12日に行なわれるナビスコカップ準決勝第2戦に勝利して決勝へ勝ち進めば、さらにリーグ戦に集中するのが難しい状況にはなるだろう。

 横浜FM(0-4柏)、浦和(2-3川崎)ともに準決勝第1戦を落としているが、第2戦の結果がリーグ戦に影響を及ぼす可能性は十分にある。

 こうなると、優位な状況に立つのが広島である。すでにAFCチャンピオンズリーグ、ナビスコカップともに敗退し、リーグ戦に集中できるうえ、昨季優勝という経験も持っている。第23節から25節まで3連敗を喫したが、内容自体はそれほど悪いものではなく、その後2連勝と持ち直しているのも好材料だ。

 となると、注目は第29節(10月19日)の直接対決、横浜FM対広島である。これに勝ったほうが、優勝に近づく一戦となるはずだ。浦和、鹿島には首位・横浜FMとの直接対決が残されておらず、もし横浜FMがこの試合に勝利するようなら、一気に独走態勢に入ってしまう可能性もある。

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