【Jリーグ】攻守ともに成熟。
優勝候補・浦和が開幕戦で見せた進化
開幕戦で先制ゴールを決めた浦和の柏木陽介。試合は2-1で浦和が勝利した
広島対浦和。昨年と同一カードとなった開幕戦は、しかし、1年前とはその意味合いが少々異なった。
昨季は「ピッチ外の因縁」ばかりが目立っていた。指揮を執るペトロヴィッチ監督が広島から浦和へ移り、加えて元・広島の槙野智章が、ケルンから浦和に加入。当然と言えば当然だった。
今季もまた、森脇良太の広島から浦和への移籍があり、そうした因縁の側面がなかったわけではない。実際、浦和の永田充は「広島出身の選手は気合いが入っていた」と言う。
だが、今季はそうした話題以上に、純粋に「ピッチ内」で行なわれる戦いに注目が集まっていた。
昨季成績で1位と3位の対決は、開幕戦にして早くも優勝候補同士の激突。すなわち、今季J1を占ううえでの重要な一戦だったからだ。
果たして、注目の開幕戦を制したのは浦和である。ペトロヴィッチ監督は語る。
「浦和がゲームをコントロールしていたが、1点返されてから広島のほうがより圧力をかけてきた。だが、全体を通して見れば相手を上回り、勝利に値するゲームができた」
指揮官の言葉どおり、浦和は特に前半、ほぼ圧倒的に試合を支配した。柏木陽介が「なかなかない、いいゴールだった」と自画自賛する先制ゴールも、浦和が次々に攻撃を仕掛けていた時間帯に生まれたものだ。
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