【高校選手権】激戦必至の準決勝。勝敗を左右する4人のキーマン (2ページ目)

  • 粂田孝明(ストライカーDX編集部)●文 text by Kumeta Takaaki(STRIKER DX)
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

 第2試合は、ともに高い攻撃力を誇る京都橘と桐光学園が対決。京都橘は、テクニカルな2トップを擁して、初の国立切符を手にした。そして、その2トップの一角を務める仙頭啓矢(せんとう・けいや/3年)が、チームのキーマンだ。

 しなやかなボールタッチが特徴の仙頭は、ここまで自ら3得点を挙げているが、特筆すべきはチャンスメイク力。正確なキックで決定機を演出し、4アシストを記録している。何より、4ゴールで得点ランクトップに立つ、快速FW小屋松知哉(2年)とのコンビネーションは抜群で、互いの呼吸は「試合をこなすごとに、どんどん良くなっている」(仙頭)という。準々決勝の帝京長岡戦でも、小屋松の突破から仙頭が絶妙なゴールを決めた。

 4試合を戦って、確かな手応えをつかんだ仙頭。打倒・桐光学園はもちろんのこと、「絶対、全国制覇します!」と戴冠への自信も見せた。

 だが、評判通りの強さで難敵をことごとく倒してきた桐光学園の牙城は厚い。FW野路貴之(3年)、MF松井修平(3年)ら、攻撃陣には多彩なタレントがズラリ。そのうえ、佐熊裕和監督が「うちは守備がベースのチーム」と語るように、ディフェンスの安定感もピカイチだ。

 その守備を統率するのが、U-18日本代表の諸石健太(3年)。身長180cmで、線の太さを誇る屈強なディフェンダーだが、対人プレイの強さだけが売りではない。敵の隙を突いたインターセプトや、的確なカバーリングもできるクレバーさを持っている。「国立に行くことが目標ではない。優勝が目標」と強調するなど、勝気な性格も頼もしい。

 はたして、仙頭を軸にスピーディーな展開を見せる京都橘に対して、諸石を中心とした桐光学園守備陣はどう対処するのか。攻守が目まぐるしく入れ替わり、ハイレベルな戦いが期待できるこの一戦は見逃せない。

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