【Jリーグ】ポジティブなサプライズ。
鳥栖が躍進した要因は何だったのか?
初のJ1で5位と健闘したサガン鳥栖。FW豊田は得点ランキング2位の19得点をあげた サガン鳥栖の尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督は、試合後の記者会見場に現れると、選手たちの気持ちをくむようにこう切り出した。
「1年間頑張ってきて、残念な結果に終わったが、選手は前だけ見て戦ってきた。本当によくやった」
J1最終節、対横浜F・マリノス戦。0-1で敗れた鳥栖の選手たちが、悲嘆に暮れているのは明らかだった。指揮官によれば、「(ロッカーで)涙を流して悔しがる選手もいた」という。
しかし、である。今季開幕前、誰が鳥栖のこんな結末を予想できただろうか。最終戦に敗れてJ2降格が決まったのならともかく、5位になってもなお、選手が「悔しい」と口にすることになろうとは。
GK赤星拓がうつむき加減に口を開く。
「ここで勝ち点3を取れば、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)の出場権が取れた。残念だし、サポーターに申し訳ない」
前節終了時点で、鳥栖は3位につけていた。勝てば自力でACLの出場権も獲得できた。だからこそ、多くの選手が悔しさをあらわにしたわけだが、それでも最終成績は実に18クラブ中の5位。初のJ1昇格クラブが1年目に残した成績としては、過去最高順位である。
今季のJ1を振り返ったとき、ガンバ大阪のJ2降格がネガティブなサプライズなら、鳥栖の大躍進は間違いなくポジティブなそれだった。
「順位については、みなさんに評価してほしい」と語る尹晶煥監督が、躍進の要因を明かす。
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