2012.12.01

【Jリーグ】引退を決意していた広島・森﨑和幸を救った3人の恩人

  • 原田大輔●文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

Jリーグ優勝杯を手にして、(写真左から)森﨑浩司、森保一監督、佐藤寿人とともに、満面の笑みを浮べる森﨑和幸(写真右)。森﨑和幸(サンフレッチェ広島)
難病を乗り越えて手にした栄冠(後編)

J1初優勝を飾ったサンフレッチェ広島の原動力となった森﨑和幸。彼はピッチ上だけでなく、長年”病”と戦ってきた。彼はその苦難の日々をどう過ごし、どうやって病を克服して栄冠を手にすることができたのか。絶望の淵から生還した”サッカー人生”の裏側に迫る――。
(前編はこちら)

 慢性疲労症候群に侵されていたサンフレッチェ広島の森﨑和幸。彼の場合は、ある日突然、動けないほどの強度の疲労や倦怠感に全身が包まれ、同時にその症状が精神面や「心」にも影響を与えたという。和幸は2006年と2009年にその重い症状を患い、ピッチを離れた。それでも、周囲のサポートもあって、彼は2度とも復帰を果たすことができた。それからは、病気のケアもきちんとして、再発防止に努めてきた。が、3度目が訪れた。

 2009年シーズンを4位で終えたサンフレッチェは、クラブ初となるAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得。2010年は、ACLで開幕し、シーズン序盤はリーグ戦を同時に戦いながらのハードスケジュールをこなしていた。

「ACL5戦目(4月13日)でした。(山東魯能との対戦で)中国に到着した時点で体調は悪くなっていて、試合の出場は見合わせました。ただ、その試合でチームは3-2で逆転勝利を飾って、試合後のみんなのテンションが高かったんですね。(ホテルで同室だった弟の)浩司もゴールを決めていたから気持ちが高揚していました。その様子を見て『ここまで(チームが)負けていたのは、自分のせいかもしれない』と感じて、一気に(気持ちが)落ちてしまったんです」