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【Jリーグ】崖っぷちのガンバ。遠藤が語る、J1残留への悲壮な決意 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 10月、日本代表の欧州遠征に出発する際、遠藤は残留争いについてこう語っていた。
「残り6試合を4勝2敗でいくのが最低ライン。もう他力なんで、自分らはとにかく勝って、上のチームにプレッシャーをかけていくしかない。できれば最後は、引き分け以上で残留という状況で戦えるのが理想。そのためには、勝ち点12以上は必要でしょ」

 6試合中、現在4試合を終えて、2勝2分けの勝ち点8。決して悪くない数字を残しているが、「最低ライン」の勝ち点12を越えるためには、残り2連勝しかない。

「(終盤戦に入って)自分らもコンスタントに勝ち点を上げているとは思うけど、上も負けていないんでね、厳しい状況に変わりはない。他のチームもやっぱり(J2に)落ちたくないから、それだけ頑張っているということ。とにかく自分らは、今いる順位を冷静にとらえて、しっかり仕事をして、勝ち点3を取りにいくしかない。その意思統一を図って、戦っていくことが大事」

 残り2節、ガンバの置かれた状況は一段と厳しくなった。現在、13位の鹿島アントラーズと14位の大宮が勝ち点40で、15位の神戸が勝ち点39。勝ち点37のガンバは、残り2連勝で勝ち点43まで伸ばせるが、次節のFC東京戦の結果次第では、J2降格が決まってしまうという“崖っぷち”にいる。

 遠藤は言う。
「やっぱり残留争いは、優勝争いとは違う。勝たないといけない、勝ち点3を取らないといけないのは、どちらも同じだけど、気持ちの面ではまったく異なるからね。残留争いのほうが、追い込まれた感があるし、勝っても笑えない。でも、勝つことだけに集中して戦えるというのはある。それを最後までやり続けたい。ここまで来たら、他会場の結果を気にしても仕方がないし、次のFC東京戦も周囲を気にせずやりたいと思う」

 幸いにしてチーム状態は上向きで、遠藤自身のコンディションもいい。特に最近、ピッチ上でのリーダーシップが目立っている。もともと背中で語るタイプだが、ここ数試合は、鬼の形相でチームを鼓舞し、チームメイトを叱咤激励している。

「別に、オレは普通だけどね。まぁ、今やらないといつやるんだってこと。ガンバを絶対に(J2に)落としちゃいけないし、その責任を果たす義務が自分にはある」

 悲壮な決意を胸に、はたして遠藤はガンバを「J1残留」へと導くことができるだろうか。

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