【Jリーグ】崖っぷちのガンバ。遠藤が語る、J1残留への悲壮な決意

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

遠藤保仁(写真右)が気迫あふれるプレイでチームを引っ張り、エスパルスに快勝したガンバ。遠藤保仁(写真右)が気迫あふれるプレイでチームを引っ張り、エスパルスに快勝したガンバ。 Jリーグ第32節、J2降格圏内の16位にいるガンバ大阪が、清水エスパルスを3-1で下してJ1残留に望みをつないだ。

 この日の静岡は台風並みの暴風雨の影響で、風下のゴールキックが押し戻されて変化するなど、ボール扱いに苦慮する状況だった。そこでガンバは、キックオフで風上のサイドを選択した。

「天候は悪かったけど、ピッチの状態は悪くなかったから、(前半)風上でやれたのは良かった」

 遠藤保仁がそう語るように、風上の前半、ガンバは整備されたピッチ上でパスサッカーを展開。試合の主導権を握った。ブラジルW杯最終予選のオマーン戦から、帰国して2日しか経過していない遠藤、今野泰幸も疲れを感じさせない動きでチームをリードした。負けられないという気迫が随所に感じられた。

 試合前には、残留を争う17位アルビレックス新潟の敗戦の一報も入っていた。それが、ガンバの勢いを加速させていた。

「だからといって、別にオレらが有利になるわけでもない。新潟はオレらよりも下の順位だし、それよりもエスパルス戦に勝って勝ち点3をしっかり取らないといけないといけない。そっちの気持ちのほうが強かったね」

 そう語る遠藤をはじめ、ガンバの選手たちは気持ちが前面に出ていた。結果、一度はエスパルスに追いつかれるものの、その追撃を振り切って大きな勝ち点3を手にした。

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