2012.10.07

【Jリーグ】理想的成長。首位を走る広島・森保一監督の手腕

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

ペトロビッチ体制を引き継ぎ今季の広島を指揮をする森保一監督
 10月6日にJ1第28節が行なわれ、首位広島が横浜F・マリノスと0-0の引き分け。2位仙台がG大阪に2-1で勝ったため、広島と仙台の勝ち点差は5から3に縮まった。

 さらに激しさを増す優勝争い。しかし、首位を走る広島の選手たちは冷静だった。キャプテンの佐藤寿人は言う。

「マリノスはそんなに崩れないチーム。6敗しかしていないし、負け数はうちと同じですから。それを考えれば、勝ち点1は悪くない。大事なのは、(勝ち点を)積み上げていくこと」

 まずは守備を固め、カウンターを狙ってくる相手に対し、特に前半は「我慢比べだった」と森保一・広島監督。それでも、「我慢しながら集中力を保ってプレイを続けてくれた」。

 なかでも森保監督が強調したのは、守備面だった。「耐えて粘り強く守備を頑張って、そこから攻撃に移ることを実践してくれた」と、選手を称える。

 象徴的なのは、DF塩谷司だろう。今夏、J2水戸から移籍加入した新戦力は、この試合がJ1初先発。しかもチームは首位に立っているとあって、試合前のロッカーでは「結構緊張していた」というが、DFリーダーの千葉和彦が「守備のところではパーフェクトにやってくれた」と振り返るほどのプレイで、6試合ぶりの無失点に貢献した。

 昨年までの広島の代名詞と言えば、現在浦和を率いるペトロヴィッチ前監督が作り上げた「パスサッカー」。次々に選手が湧き出てくるような厚みのある攻撃が、最大の武器だった。