【Jリーグ】福田×名波が語る「優勝戦線は、こうなる!」 (4ページ目)

  • 小室 功●構成 text by Komuro Isao
  • 益田佑一●撮影(対談) photo by Masuda Yuichi 藤田真郷●撮影(試合) photo by Fujita Masato

名波 サッカーの質ということでは、ベガルタやサンフレッチェ、ジュビロ、川崎フロンターレあたりは、ドキドキするような攻撃が見られ、単純に面白さは感じる。でも、「レベルが上がっている」と言及するのはどうだろうか。全体を見渡せば、守り主体の、粘って、がんばって、結果を出しているチームが決して少なくないからね。

福田
 Jリーグのあるべき姿を考えると、強豪と言われるガンバ大阪や名古屋グランパス、鹿島アントラーズが常に上位にいて、予算規模は小さくてもいいサッカーを提案する、ベガルタやサンフレッチェが対抗していく。そういう図式がいいのかな、と思う。でもそれが今は、標的にならないといけない強豪チーム、資金力のあるチームが下位にいる。Jリーグとして、あまり好ましい状況ではないんじゃないかな。

名波 確かに他の国のリーグを見ていると、どんなに出だしでつまずいたとしても、最終的にビッグクラブが持ち直して、優勝争いに加わってきますからね。もちろん優勝争いが本格化するのはこれからだから、地力のあるチームは上がってくるのだろうけど、日本にも強烈な力を持ったクラブがひとつ、ふたつは存在してほしいですよね。

――では最後に、おふたりが推奨する優勝チームを教えてください。

福田 いや、難しいよ。どのチームにもチャンスがあるから。

名波 じゃあ、自分から遠慮なく言わせてもらいます。ズバリ、ジュビロ!

福田
 おぉ! ならば、僕はベガルタ推しで! 手倉森誠監督とS級(指導者ライセンス)を一緒に受けた仲だし、チームの雰囲気がさわやかでいい(笑)。昨季もあと一歩のところまで行ったわけだし、被災地から歓喜の声が聞こえてくるのを楽しみにしたい。


福田正博(ふくだ・まさひろ)

1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。言わずと知れた「ミスター・レッズ」。1995年Jリーグでは日本人初の得点王に輝く。2002年に現役を引退し、2008年から3年間、古巣・浦和レッズのコーチを務める。現在はサッカー解説者として『S☆1』(TBS)など各メディアで活躍。

名波 浩(ななみ・ひろし)
1972年11月28日生まれ。静岡県出身。ジュビロ磐田の司令塔として活躍し、日本代表では10番を背負って初のW杯出場に貢献した。引退後はジュビロのアドバイザーを務めるとともに、テレビ朝日『やべっちF.C.』などサッカー解説者として奔走している。

撮影協力:ザ・プリンス パークタワー東京

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