2012.04.24

【Jリーグ】好調レッズの屋台骨、阿部勇樹が心に秘めるリベンジ

  • 河野 正●文 Kawano Tadashi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

ペトロヴィッチ監督が志向するスタイルにおいて、阿部勇樹は欠くことのできない存在だ。 2007年1月26日。ジェフユナイテッド千葉から、リーグ連覇を目指す浦和レッズに完全移籍した阿部勇樹は、「相当な決意を持ってここに来た。デビューした時のような気持ちでがんばりたい」と加入会見で抱負を述べた。

 あれから5年経過した今年1月25日。イングランド2部のレスターシティから浦和に復帰し、2度目の会見に臨んだ阿部は、「前回在籍した3年半で、自分は何も成し遂げていない。やり残したことがあるので戻ってきた。イングランドにいても、浦和の状況はずっと気になっていたし、『自分に何かできるのでは』と思って復帰を決めた。プレッシャーは前回よりも大きい」と、5年前の”相当な決意”をしのぐ覚悟を吐露した。

 最初の移籍初年(2007年)、浦和は日本勢として初めてアジアチャンピオンズリーグを制し、クラブワールドカップでも3位に入ったが、手に入れかけていたJリーグ連覇を最終戦で逃してしまう。千葉時代の2005、2006年にナビスコカップ連覇を果たしたものの、阿部にはリーグ王者の称号がまだない。

 やり残したこととは、浦和でのリーグ優勝と、ブレのないチーム作りに手を貸すことである。

 2010年のW杯南アフリカ大会では、開幕直前にアンカーに指名され、日本のベスト16入りに貢献した守備の達人。復帰した浦和では、サンフレッチェ広島との開幕戦は3バックのリベロを務め、次節の柏レイソル戦からは鈴木啓太とボランチを組み、第7節(4月21日)までリーグ3位タイの6失点と、チームに守備の安定感をもたらしている。

 柏には昨季のリーグ戦で2試合とも1-3で完敗し、6失点のうちレアンドロ・ドミンゲスが5点に絡んでいた。そこで、ペトロヴィッチ監督はこの危険人物を封じ込むため、阿部をボランチに回してマーカーを任せる。「経験値の高い阿部なら十分に役割をこなしてくれると考えた」と指揮官の期待どおり、昨年の王者を無失点に抑え、1-0の快勝を呼び込んだ。