2012.04.27

【Jリーグ】着実な進化。
ベガルタ仙台の昨シーズンを上回る勢いの源とは

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現在首位。開幕から好調を維持している無敗のベガルタ仙台
福田正博 フォーメーション進化論vol.17
 現在、J1で無敗をキープし首位を快走する仙台。昨シーズン、リーグ最少失点だった安定した守備をベースに、今シーズンは得点力が着実にアップ。さらに力をつけ、4位になった昨季を上回る勢いを見せている。

 基本フォーメーションは昨年と同じ4-4-2。では、昨シーズンと今シーズンで何が違うのか。それは、DFラインを含めた、チーム全体の守備のゾーンがより前になっていることだ。

 距離にしてみれば、5m程度のものだが、この違いが大きい。なぜなら、相手のゴールにそれだけ近くなっているということであり。ボールを奪ったあと、フルパワーでスプリントしてゴールエリアまで侵入する距離が短くてすむ。つまり、5m後方から攻め上がるより、余力を残してゴール前に飛び込んでいけるということだ。シュートのための力を残しておくことができると、精度も上がるし、精神的にも余裕が生まれるので、落ち着いて判断もよくなる。そして、それが得点という結果につながる。

 それをもっともよく体現しているのが、ここまで3ゴールの関口訓充だろう。昨シーズンのチャンスメーカーとしての役割プラス、今季は点にからむ動きが増している。現在キャプテンマークをつけている関口は、着々と伸びていると思うし、精神的な落ち着きを見せながら、同時にこれまでどおりファイトする部分もうまく表現できている。持っているエネルギーを正しい方向に使えるようになっている印象だ。また、もうひとりのサイドMFの太田吉彰も好調で、同じように敵のペナルティエリアに進出する回数が増え、存在感が増している。

 つまり、今シーズンの仙台は、全員が勤勉に動く豊富な運動量、守備から攻撃に転じる切り替えの速さ、守備ブロックのコンパクトさはそのままに、DFラインを高めに設定してより前へ重心をかけることで、ゴール数を増加させることに成功したといえる。