2012.02.17

【日本代表】
今野泰幸のフル出場が示すザックジャパンが志向するスタイル

  • photo by Yanagawa Go

 アタッカーについて、「3」の右は岡崎慎司がファーストチョイスだろう。岡崎のサイドでの運動量は豊富で、スペースを見つけてそこを使う能力が非常に高い。スペースに入るタイミングがうまいし、そこからゴールをとる感覚を持っており、実際決めている。

 チャンスメーカーというよりはフィニッシャーなのだが、ボールを持って勝負する香川とは違い、ボールのないところ、つまり「オフザボールの動き」で勝負して、ワンタッチでゴールを決めるタイプだ。その意味で、ここでも左右にキャラクターの違う選手がいてバランスがとれている。

 このポジションには、藤本淳吾のほか、五輪世代に、清武弘嗣、原口元気、大津祐樹、宇佐美貴史、宮市亮もいて、アウトサイドのアタッカーはサイドバック以上にタレントが豊富といえる。

 そして最後にワントップだが、ここは、前田遼一、李忠成、そしてハーフナー・マイクの順番だろう。相手DFからターゲットになりやすいポジションであり、スペースに逃げることなくDFと体をぶつけながらボールをキープしなくてはいけないポジションだ。

 前田については、フィジカルの強さ、スピード、シュート技術、ドリブル、ポストプレイ、オフザボールの動きと、すべての面で能力が高く経験値もある選手。この前田をサウサンプトンに移籍した李がどれだけおびやかすことができるか注目したい。李がイングランドでどこまでやれるのか、どのように成長するのか、非常に楽しみだ。

 そして、194cmのハーフナーの「高さ」というカードが加わったのは大きい。あそこまでの高さは今までの日本にはなかったものだ。ハーフナーはあの身長にしてはスピードもあるし、足元の技術もしっかりしている。ザッケローニ監督はウディネーゼやミランでビアホフを起用していたので、ハーフナーのような長身FWを好んで使う可能性も十分あるだろう。

 W杯アジア予選などで、相手がゴール前を固めたときに、ハーフナーの高さはその守備を崩すためのひとつのカードになるし、アクセントとして彼の存在は大きい。彼を狙ってペナルティーエリアにボールを入れることで、たとえおさまらなくてもスクランブルを起こすことができるし、そこからゴールにつながることもあるということだ。

 もちろんハーフナーへの放り込みだけではダメだが、そうしたやり方も含め、いろんな戦い方ができるというのは、相手にプレッシャーを与えることになるし、自分たちにとっても「こっちがダメなら、こっちがある」という精神的な余裕ができる。また、ザックジャパンは、ピッチにいる選手全員が状況に応じて戦い方をすぐにきりかえることができる戦術眼を持っているので、試合運びがうまいチームになってきていると思う。

 いずれにしても、どんなシステムであっても、サッカーはトップまたは前線でボールがおさまらないと攻撃ができない。4-2-3-1であれば、「1」がポイントになることは間違いない。このポジションは非常に重要であり、今後、海外の強豪クラブでワントップをはれるFWが出てきてほしいし、それがW杯本大会での日本代表の活躍につながるはずだ。

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