【日本代表】
ザックジャパンの「3-4-3」の狙いはどこにあるのか
福田正博 フォーメーション進化論 vol.11
ザッケローニ監督が率いる日本代表。2012年は2月24日のアイスランド戦が初戦となる
サッカーは常に相手がいるスポーツ。状況に応じて戦術は変わる。勝つために戦い方を変えなくてはいけないこともある。そのために戦い方のバリエーションをいくつか持っておくことが必要で、日本代表チームも、相手の布陣を見て4-2-3-1以外のシステムを持っておくべきなのは言うまでもない。
だから、ザッケローニ監督は3-4-3の布陣を選択肢として持っておきたいのだと思う。また、選手に刺激を与えて、マンネリを避け、モチベーションを上げる狙いもあるだろう。
サッカーでは、手持ちのカードをたくさん持っておくことは相手を迷わせることになるし、揺さぶりをかけるためのちょっとした1枚のカードが勝敗を分けることもある。一瞬でも相手のスキをつくり、その一瞬で勝負が決まることもある。ザッケローニ監督はイタリアのビッグクラブで監督を経験してそのことをよくわかっているはずだ。だからこそ、3-4-3を試しているのだと思う。
ただ、基本はあくまでも4-2-3-1で、3-4-3はオプションという考えなのではないか。3-4-3のときに、フルメンバーで試合をやっていないし、実戦での回数もそれほどやっていないことからも、それはわかる。
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著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。