【日本代表】ザックジャパンの「3-4-3」の狙いはどこにあるのか (2ページ目)

  • photo by Sugimoto Tetsuhiro/AFLO SPORT

ウディネーゼやミランを率いていたときもザッケローニ監督が採用していた3-4-3ウディネーゼやミランを率いていたときもザッケローニ監督が採用していた3-4-3
 3-4-3のスタートの布陣は大小のトライアングルが複数できている。これはバルセロナの3-4-3でも同じことだが、そのバランスを崩さないことが重要であり、それはなかなか難しいことでもある。選手は速い展開の狭い局面で、判断する場面が多くなれば、より多くの情報を集めて状況に応じたプレイができなくてはいけない。

 守備について、このシステムの3バック②③④に求められるのはまずスピード。3バックの両サイドにあるスペースと、攻めて押し込んでいるときに生じるDFの背後のスペースをすぐにカバーできなくてはいけないからだ。

 特に両サイド②④は今野泰幸、伊野波雅彦、槙野智章、阿部勇樹といった選手に適性があると思う。ザッケローニ監督が、この3バックの左右は「攻撃のときはサイドバック」と会見で言っていたように、センターバック、サイドバック、さらに言えばボランチもできる選手でなくてはいけない。同時に攻撃参加もできて、フィードもできなくてはいけないため、4バックのセンターバックとは求められる役割がかなり異なる。

 基本の布陣は異なるが、3バックのときのバルサではアビダルやプジョルといった、スピードもあって、フィジカルの強い選手が3バックの左右を担当していることを考えれば、ザックジャパンの3バックに必要な能力はわかるだろうか。

 バルセロナは、前線の相手陣内で人数をかけてボールを奪うために、守備に人数をかけることはない。プラスワン、つまりひとり余らせて守るというよりも、1対1で負けないことが前提だ。これはザックジャパンの3-4-3でも同じことがいえると思う。

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