【Jリーグ】躍進の可能性十分。J2王者FC東京の新体制への期待 (3ページ目)

  • photo by Shimizu Keisuke/AFLO

攻撃時にはボランチがバランスをとりながらルーカスが基点になっていた。ポポビッチ監督が今シーズンどのようなスタイルを目指すのか注目が集まる攻撃時にはボランチがバランスをとりながらルーカスが基点になっていた。ポポビッチ監督が今シーズンどのようなスタイルを目指すのか注目が集まる


 昨年、J2での戦い方はどちらかといえば堅守速攻という印象が強かったが、今シーズンはランコ・ポポビッチ監督が就任するため方針転換があるだろう。FC東京は原(博実/JFA技術委員長)さん、城福(浩/ヴァンフォーレ甲府監督)さんが指揮を執っているときはどちらかといえば攻撃的サッカーを標榜していたが、2010年途中に大熊さんに変わって、まず守備を安定させてからの攻撃というスタイルになっていた。それが、ポポビッチ体制ではどのように引き継がれていくのか。

 ポポビッチ監督は大分トリニータ時代も、昨年指揮をしていた町田ゼルビアでも、ポゼッションにこだわったサッカーをしていた。大熊さんのサッカーとポポビッチ監督のサッカーの考え方で、どれぐらいの違いが出るのかというところも興味深く、どのようなチームに変わっていくのか注目したい。ポポビッチ監督は内容と同時に勝利も重視するし、結果を優先する姿勢はもちろんあるだろうが、ただ、どんなやり方でもいいから勝つという考え方ではないと思う。

 ポポビッチ監督のサッカーは大熊さんが昨年展開していたサッカーよりも、「ボールオリエンテッド」なボールのあるところに人数をかけるサッカーだと思うし、攻撃のときは多少リスクをおかしてでも、さらに人数をかけて攻めていくやり方になるのだろう。

 サイドバック②⑤も攻撃参加して6人以上で攻めるサッカーは、守備に人数をかけていないのでボールを奪われると失点するリスクを背負っていると見えるかもしれないが、攻撃は最大の防御でもあるので、ボールを保持し続ける時間が長くなれば、守る時間が短くなるということでもある。選手がその意識を持つことができるかどうか。

 選手としては、自分たちが試合の主導権を握るサッカーへの憧れや意欲もあると思うので、チャレンジとして前向きになれると思うし、モチベーションは高いと思う。

 また、大竹洋平や田邉草民、東京ヴェルディから移籍の河野広貴、横浜F・マリノスから移籍の長谷川アーリアジャスールら若手がどれだけ成長するか、ポポビッチ監督が彼らをどのように起用するかも注目ポイントだ。

 生え抜きの選手という意味では、梶山がひとつのカギだと思う。クラブの象徴のひとりであり、「ポテンシャルがある」「もっとできる」と言われ続けてきたユース出身の梶山が輝けるかどうか。彼がひとまわり大きく成長すれば、クラブも成長するだろうし、今年は代表から声がかかるぐらいの選手になって、チームを支える存在になってほしい。

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