2012.01.21

【Jリーグ】松田直樹追悼メモリアルゲーム開催で「真剣なプレイを」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

念願のJ2昇格を果たした松本山雅もこのゲームに参加する「俺は負けるのが許せないし、だからこそプロの世界で生き残ってこられたと思う」

 松田直樹はかつて、そう語っていた。

「自分は運が良かった。高校の頃から、世界の強豪と戦う機会をもらって、そこで”少しでもミスをしたらやられる”という感覚を養えた。怖さを肌で感じて、びびったこともあったけど、それよりむかついたし、燃えずにはいられなかった。カヌー、ラウル、アネルカ、ロナウド……こいつらに負けねぇぞ、という反骨心と緊張感を持っていたから、成長できたんだと思う」

 感情をほとばしらせることで、松田はプロフットボールの世界で駆け上がっていった。ピッチに敢然と立つ姿に、人々は惹きつけられ魅了されたわけだが、彼自身は観衆の情熱を受け取り、足に魂を込めていた。松田の最も優れていた才能。それは有り余る感情で人々を動かし、同時に心を動かされた人々の思いをくみ、それをプレイに還元できてしまうことにあったのかもしれない。

 それ故、彼はフットボールを冒涜(ぼうとく)するようなやり方はどうしても許さなかった。攻めてこようとせず、時間が過ぎることを待つだけの相手を鼓舞したこともあるし、不可解な判定をする審判に挑発的言葉を発した。「Jリーグの問題児」。本人が自嘲気味に言っていたこともあった。しかし松田は暴力で誰かを傷つけたことはない。生涯、真剣勝負を心ゆくまで楽しんだ。

 昨年8月に急性心筋梗塞で急逝するまでは――。

 その松田を追悼するメモリアルゲームが1月22日、日産スタジアムで開催される。

 日本代表だった時代に親しかった選手たちで結成されるNaoki Friends、2011年シーズンまで所属していた松本山雅FC、16シーズン所属していた横浜F・マリノスの現所属選手とOBの混成チームという3チームが変則的な試合を行なう。中田英寿、三浦知良などの大物も参加予定で、Naoki Friendsの指揮を執るのは日韓W杯の代表監督であるフィリップ・トルシエに決まった。