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【高校選手権】大会を彩った、「荒削り」だからこそ将来が楽しみな逸材たち (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 末吉雅子、上野雅志●撮影 photo by Sueyoshi Masako,Ueno Masashi

すでに欧州で活躍する宮市亮の弟・剛(中京大中京)。1年生とは思えぬプレイぶりで、今後どこまで成長していくのか、楽しみでならない。すでに欧州で活躍する宮市亮の弟・剛(中京大中京)。1年生とは思えぬプレイぶりで、今後どこまで成長していくのか、楽しみでならない。 また、まだ1年生ながら、堂々たるサイズ(185cm)とプレイぶりでスケールの大きさを感じさせてくれたのが、宮市剛(中京大中京)。昨年の大会で脚光を浴びた宮市亮の実弟である。

 兄・亮が左サイドを主戦場とし、爆発的なスピードを持つドリブラーだったのに対し、弟・剛はオールラウンドなストライカータイプ。強さと柔らかさを兼ね備えた身のこなしで、シュート技術は兄を上回るほどで、今大会でも全3試合で3ゴールを決めている。来年以降に期待が高まる逸材だ。

 来年以降への期待ということで言えば、決勝進出を決めている四日市中央工の2トップも面白い。

 ともに2年生の田村翔太と浅野拓磨は、そろって160cm台と小柄だが、DFラインの裏へ抜け出すスピードは抜群。右高静真(国学院久我山)、後藤拓也(尚志)など、小柄でスピードに優れたFWが目立った今大会だが、四中工の2トップは、それを代表する存在だと言えるだろう。

 準決勝の尚志戦では、前半に田村が今大会6点目となるゴールを決めて得点ランクのトップに立てば、浅野も後半にダメ押しとなる2得点を挙げて、これに並んだ。1月9日の決勝では、優勝の行方とともに、チームメイト同士の激しい得点王争いの行方も注目される。

 もちろん、市立船橋の攻撃トリオも忘れるわけにはいかない。岩渕諒、和泉竜司、池辺征史が爆発しても不思議はなく、「粗削り」かつ「小粒」な印象の強い大会は、言い換えれば、最後の最後まで新たなヒーローが誕生する可能性を残している。

 チームを見ても、選手個人を見ても、絶対的本命が不在だった今大会。最後を締めくくる活躍を見せるのは、果たして誰なのか。今年度の高校選手権も、いよいよ大詰め。決勝1試合を残すのみである。

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