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欧州で揉まれる若き日本人フットボーラーたち ブンデスリーガに引き抜かれた出世頭は攻撃陣にも (2ページ目)

  • 取材・文●松尾祐希 text by Yuuki Matsuo

【仏3部で修行するFWとブンデス行きを勝ち取った点取り屋】

高岡伶颯(18歳)/ヴァランシエンヌ(フランス3部)

 身長165cmのスピードスターは、日章学園高3年時にイングランドのサウサンプトンと契約を結び、高校卒業後すぐに欧州で研鑽する道を選んだ。

最大の武器は抜群の急加減速と貪欲さだろう。プレスの際には二度追い、三度追いを繰り返し、ボールを奪ったら、がむしゃらにゴールを狙う。

18歳でサウサンプトンに引き抜かれたのは、偶然ではない。

日章学園高1年時の2023年2月に行われた九州の新人戦で結果を残し、3月に開催されたU-17日本代表のアルジェリア遠征で世代別代表に初招集された。同年7月のU-17アジアカップではスーパーサブとして起用され、11月にインドネシアで開催されたU-17ワールドカップでは、4戦4発の活躍でチームのベスト16進出に貢献。

高校3年時の公式戦ではリーグ戦の1試合を除き、出場した全試合でネットを揺らすなど、抜群の決定力を示した。これまでに吉田麻也や菅原由勢、松木玖生を獲得してきたサウサンプトンが、日本の超逸材に注目していたとしても不思議はない。

サウサンプトンではU-21チームからスタートし、昨夏にフランス3部のヴァランシエンヌへ期限付き移籍。そこでもリザーブチームでプレーする予定だったものの、開幕前の紅白戦でアピールに成功し、トップチームに帯同すると第2節ル・プイ・フット戦でいきなり先制点と決勝点を挙げ、2-1の勝利の立役者となった。

その後はゴールが遠く、昨秋のU-20ワールドカップでも無得点で不完全燃焼に終わり、チームに戻ってからも出場時間を伸ばせていない。それでもストライカー向きのポジティブな性格で、日々成長しているはずだ。劣勢時に流れを変えてくれそうな雰囲気は、現在サウサンプトンに在籍する松木に通ずるものがある。ロサンゼルス五輪はもちろん、来年のU-20ワールドカップの出場資格もあり、大舞台で爆発する姿を期待したい。

塩貝健人(20歳)/ヴォルフスブルク(ドイツ1部)

アイントラハト・フランクフルトの小杉啓太と同様に、この1月にドイツ・ブンデスリーガのクラブに引き抜かれたロサンゼルス五輪世代の出世頭のひとりだ。

横浜FC Jr.ユースから國學院久我山高に進み、3年次の高校サッカー選手権に出場。その後、慶應義塾大に進学すると、ここで才能が花開く。フィジカルの強さを活かした推進力に加え、パンチの効いたシュートでゴールを量産。1年時の関東大学サッカーリーグでは3部ながら15得点を挙げて、トップスコアラーとなった。

その活躍により、横浜F・マリノス入団が内定。2024年4月には特別指定選手としてJ1デビューを飾り、プロ初ゴールもマークした。世代別代表にも名を連ね、6月にU-19日本代表の一員としてモーリスレベロトーナメントに参加。そこで欧州クラブのスカウトから見初められると、進路を欧州挑戦に変更した。8月にオランダ1部のナイメヘンに加入すると、1年目は25試合で4ゴールを記録し、今季は12試合で7得点を奪った。すると今年1月、ブンデスリーガのヴォルフスブルクに推定移籍金18億円で引き抜かれた。

タフな精神を備え、何事にも負けず嫌い。ゴールを奪うための我の強さが際立ち、周りにパスを要求されても自ら打つような強気な姿勢が光る。向上心も高く、常日頃から「A代表に行くチャンスはあるはず」と上のステージを目指し、貪欲な姿勢でトレーニングに励んでいる。ポストワークや守備時の個人戦術など、課題もあるが、それを補って余りある得点力はこの世代で頭ひとつ抜けている。

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