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サッカー日本代表、ワールドカップまであと6カ月 福田正博が考えるレベルアップのカギはセットプレーとPK (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【セットプレー、PKのレベルアップに期待】

 W杯に向けて動き出したなか、今後の日本に期待するのはセットプレーのクオリティを高めることだ。森保一監督の第二次政権ではセットプレーコーチを招聘し、これまでよりもCKやFKでチャンスをつくれるように取り組んできた。今回のW杯アジア最終予選では最初の得点はセットプレーから生まれるほどになった。

 ただ、それでもまだまだ成長の余地はある。ゴールを狙う直接FKに関しては、中村俊輔や本田圭佑、遠藤保仁らがいた時代は困ることはなかったが、現在の代表には彼らのようなクオリティはまだない。選手個々が練習を重ねていても、すぐに成果が出るものではないからだ。だからこそFK以外のところで、たとえばロングスローからのパターンを構築するなどがあってもいいのではと思う。

 また、PKについてもしっかり練習を積んでもらいたいと思う。前回大会はラウンド16においてPK戦で涙を飲んだし、2010年大会でもPK戦で敗れてベスト16止まりだった。

 森保監督とPK戦について話した時は、「前回大会はキッカーを選手に任せた部分があったが、今大会は監督が責任を持って決めたい」と語っていた。あらかじめPKメンバーを決めていたとしても、試合展開や選手交代の状況、選手たちの疲労具合などでも、そのとおりにはならないケースも出てくるだろう。それだけにあらゆる状況を想定しながら、しっかりとPKの練習も積んでほしいと思っている。

 W杯まで残り180日あまり。"神は細部に宿る"というだけに、チームプレーの細かな部分のクオリティを高めていきながら、本番に向かってもらいたい。

著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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