サッカー日本代表で今後に期待の選手は? 福田正博「ブラジル戦で得た経験を次につなげてほしい」 (2ページ目)
【新たなDFたちが経験を積む】
いずれにしろ、3ゴールを決めた後半の戦いぶりを、前半から見せてくれたらと思うかもしれない。だが、相手はW杯5度制覇のサッカー王国ブラジルだ。しかも、ブラジルと同様に日本も主力選手を欠いていた。遠藤航、三笘薫が不在で、DFラインも経験者を欠くなかでは、アグレッシブに出ることを自重したのも仕方ない。
3バックは、アキレス腱断裂から復活を遂げたベテランの谷口彰悟を中央に配し、パラグアイ戦で中央を務めた渡辺剛が右、左はパラグアイ戦に続き鈴木淳之介が入った。そして3バックだけではなく、ボランチの鎌田大地と佐野海舟を含めた5人のブロックが、ほぼ初めてと言える組み合わせだったことを差し引いても及第点だろう。ここから連係を高めていければという期待値が膨らむものだった。
そのなかで鈴木が見せたブラジル戦での躍動は、今後もスタメンを張れる可能性を感じた。身長180cmと高さが際立つわけではないものの、湘南ベルマーレではボランチをやっていて足元の技術の高さには定評がある。個性の違う選手が揃うほどチーム力は高まるだけに、この夏に移籍したコペンハーゲンで海外選手への対応力をさらに高めていってもらいたい。
渡辺は9月のメキシコ戦では右センターバック(CB)でスタメン出場し、今回も右と中央を務めた。これはDFラインに故障者が多いなかで、森保一監督のファーストチョイスになっていると見ることもできる。FC東京時代から期待が大きかった選手だが、彼の存在がCB陣に厚みをもたらしている。
DF陣の故障が長引くケースを想定すると、経験豊富な谷口の復帰があるとはいえ、渡辺や鈴木といった新たな選手たちが経験を積める意義は大きい。ただし、まだまだ改善や成長の余地はある。
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