サッカー日本代表で今後に期待の選手は? 福田正博「ブラジル戦で得た経験を次につなげてほしい」 (3ページ目)
【FW陣にも成長を感じた】
FW陣にも収穫のある10月シリーズとなった。1トップの上田綺世はブラジル戦で決勝弾を決めたが、小川航基と町野修斗も成長している姿を見せてくれた。上田が欠けても小川や町野がいる状況は心強いものだ。
町野に関して言えば、1トップだけではなく、シャドーのポジションもできるため、W杯を見据えた時に試合展開のなかで前線のオプションになりうるだけに、さらなる成長を期待している。
ブラジル戦で攻守に際立ったのは、堂安律だった。フランクフルトでの好調さを日本代表にもつなげ、右ウイングバック(WB)の位置で攻守に躍動した。ここ数年で守備強度が高くなってハードワークも厭わないうえに、最近は縦突破もできるようになってプレーの幅が広がっている。だからこそ、後半から伊東純也が投入されても、ポジション変更することなくWBを任されたのだろう。
これまでWBを務めることが多かった伊東は、W杯本番ではゲームチェンジャーとして期待されているのではないかと思う。パラグアイ戦は右WBで先発出場したが、ブラジル戦は途中から右シャドーで出場して2アシスト。逆転勝利の立役者となった。相手の足が止まる後半に伊東が出てきて、持ち前のスピードを生かして相手陣を切り裂く。こうした展開はW杯本番でも期待できるシーンだ。
左サイドは中村敬斗が三笘の不在を感じさせない活躍をした。三笘と中村、さらに前田大然というスピード特化のスペシャリストはいるものの、このポジションは故障もしやすいだけに、3選手に次ぐ存在がいるに越したことはない。そのなかで斉藤光毅がパラグアイ戦で出場機会を与えられた。
結果は「まだまだ」というものだったが、個人的には次につながるトライをしたと好感を持った。「なんでもやろう」として空回りしていた部分もあったが、根底には自分のよさを出そうとした思いがあったはずだ。日本代表に選出されると臆して無難にプレーする選手も少なくないなか、果敢に挑んだことは評価している。ここで得た経験を次につなげられれば、いつの日か日本代表に不可欠な存在になれるはずだ。
一方で相馬勇紀は途中出場したパラグアイ戦、ブラジル戦で持ち味をしっかり発揮した。今季はJリーグで9得点(リーグ7位)10アシスト(リーグ2位)を記録。町田でプレーするようになって意識が高まった守備の部分で、森保監督からの信頼を勝ち取りつつあるように映る。2022年カタールW杯でも予選突破後に存在感を高めてメンバー入りしている相馬が、今回も同じようなルートを辿りながら、このままW杯メンバーに入るかどうかにも注目している。
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