サッカー日本代表はアメリカ遠征という絶好の機会を無駄にした そもそも森保監督の選手選考からして疑問... (2ページ目)
日本にも得点機がなかったわけではないが、それを言うなら、アメリカに3点目、4点目が入る可能性のほうが高かった。
冒頭に記したふたつのポイントについて見ても、いずれも収穫を手にしたとは言い難い試合である。
とはいえ、この結果を受けて、メキシコ戦に出場した主力組と、アメリカ戦に出場した控え組との間には力の差がある、とだけ結論づけてしまうのは、フェアな評価ではないだろう。
もちろん、両者を比べれば、前者のほうが技術、戦術、経験など、あらゆる面で個人能力の高い選手が多かったことは否定しない。だが、メキシコ戦のメンバーは、これまでの試合を通じてコンビネーションの練度を高めてきた主力組の選手がほとんど。そこに何人かの新戦力候補を加えた顔ぶれだった。
その一方でアメリカ戦は、ぶっつけ本番と言っていいような急造チームで臨んだのである。こんなチーム編成で、主力組と同じような試合をしろ、というほうが無理筋というものだ。
アジアではなく、世界レベルのチームを相手にしてもなお、日本代表が2チーム分の戦力を抱え、誰が出ても同じレベルで戦えるかという点について、森保一監督自ら「答えが出たかなと思っている」と話していたが、もしアメリカ戦に出場した選手たちが、この結果をもって失格の烙印を押されてしまうのなら、もはや気の毒だとさえ言いたくなる。
そもそも森保監督の考える2チーム分の戦力とは、こんなやり方で整えられるものなのだろうか。
本当にワールドカップで優勝、あるいはベスト8進出を目指すなら、2チーム分の戦力が不可欠。そこには何の異論もないが、だとすれば、もっと積極的に戦力の底上げを促すような"アメリカ遠征の使い方"ができなかったのだろうか。
具体的に言えば、2試合のメンバーを主力組と控え組に分けるのではなく、それぞれに主力組と控え組を同程度に混在させることはできなかったのか、ということだ。
さらに言えば、中2日という試合間隔を考えると、肉体的負担はもちろん、各選手の所属クラブへの配慮も含めて、同じ選手を2試合ともに先発出場させることは難しい。必然的に2試合のメンバーを総入れ替えすることを、おそらく早い段階で決断せざるを得なかったはずである。
実際、森保監督はメキシコ戦を前にした段階で、アメリカ戦でメンバーを大幅に入れ替えること、最大で総入れ替えもあることを明言していた。1試合目に主力組を先発で使ってみて、コンディション次第では2試合目も、と考えていたとは思えない。
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