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サッカー日本代表の敗因を選手のせいにしてはいけない メキシコ戦、アメリカ戦に収穫なし (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 アメリカは、まさに"困ったときはプリシッチ"だった。頼りになる10番だった。久保、三笘はまだこの域にない。10番を背負う堂安律しかり。この2戦で上田綺世、町野修斗、小川航基が出場したセンターフォワード陣も同様だ。頼りになる選手と言われて、相変わらず遠藤航の名前が挙がる限り、得点への期待は高まらない。ベストメンバーに固執するあまり、勢いのある選手の起用を見逃してきた感がある。

 そもそも森保監督は選手を育てる気があるのか。使える選手の数を増やす気があるのか。アメリカ戦の選手起用を見せられると疑いの目を向けたくなる。このやり方では9カ月先のワールドカップ本番の展開が読める。おそらく4試合目ぐらいに限界を迎えるサッカーだ。監督こそ世界基準に達してほしい。0-2の敗戦を選手の責任にしてはいけない。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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