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サッカー日本代表に長友佑都は招集されるべきか FC東京では右サイドバックで大復活 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【メンタル面では突出しているが...】

 先日の湘南ベルマーレ戦では、後半アディショナルタイムで同点にされた試合後は誰よりも悔しがっていた。純粋な負けず嫌いが、すり減っていない。今も勝ち続けるために、頭と体を全力で動かしている。

 もっとも、「アメリカ遠征の代表メンバーにふさわしいサイドバックか?」と問われたら、「イエス」とは答えられない。

 アメリカでのメキシコ、アメリカ戦は本大会を想定した戦いになる。実践的なアプローチが欠かせない。端的に言えば、主力でどこまで戦えるのか、試金石になるはずだ。

 本大会に向け、森保一監督がウイングバックを使うのか、サイドバックを使うのか、それはわからない。しかしどちらにせよ、新たな戦力を発掘する場にすべきだろう。長友の実力は把握できているはずだ。

 最近ではメンタル面で突出した長友の存在を賛美し、リーダーシップを求める声もある。現場でピッチに立つ彼の姿を見ていると、それもわからないではない。「26人のひとりだったら(ロシアワールドカップまでは23人だった)、チームにもたらすポジティブな要因が多い」と本大会のメンバー選出を肯定する意見は多くなっている。

 ただ、それは最新の代表の戦い方を無視した楽観論だ。

 コロナ禍以後、5人交代が可能になり、総力戦の様相を呈している。たったひとりも余剰人員などいない。森保ジャパンの「ワールドカップ優勝を狙う」が大風呂敷だとしても、「ワールドカップベスト8」の目標を達成するには、今まで以上に試合を多く勝ち抜かなければならない。

 たとえばEURO2024で優勝したスペイン代表の道のりは、まさに総力戦だった。代表メンバー26人中、ピッチに立たなかった選手は第3GKであるアレックス・レミーロのみ。ひとりも全試合先発はしていない。主力を温存しながら、力を使いきった。22人が先発出場を果たし、ダニ・オルモ、ミケル・メリーノ、ミケル・オヤルサバルなどは、決勝ラウンドに入ってから交代出場で試合を決めるゴールを記録した。

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