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サッカー日本代表を韓国はどう見ているのか? E-1選手権での監督、選手、メディアの反応 (2ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

【韓国メディアは敗戦に怒っていた】

 7月15日に行なわれたE-1選手権男子部門の日韓戦。日本が8分のジャーメイン良のゴールにより1-0で勝利した。日本は3試合合計で勝ち点9となり、大会2連覇を果たした。

 韓国代表は前日のホン監督の言葉どおり「重要な戦術」という3バックを採用。W杯アジア最終予選では4バックを使いアジア唯一の無敗での突破を果たしたが、本大会に向けて3バックも併用したい考えを明らかにしていた。ふたつの守備システム併用について、ホン監督は前日会見で「韓国と日本は似た点がある」としていた。一方で「過去においても現在も、韓国よりも日本のほうが戦術に精密な点もある」と。

 果たして迎えた日韓戦。韓国側の視点では試合はこう見えたようだ。現地メディア「OSEN」が15日に配信した記事でこう記している。

「韓国は日本のプレッシャーに押され、試合中ずっとそれに引きずられた。前半7分、ナ・サンホの右足シュートがゴールポストに当たる不運もあった。日本はチャンスを逃さなかった。日本はこれに続いてのカウンターの状況でジャーメイン良が放ったボレーシュートが先制ゴールとなった。(失点の状況で)韓国の守備陣は4人いて、日本の攻撃陣の2人より多かったが、誰もシュートを阻止できなかった。韓国は後半、イ・ホジェが交代で入ってボレーシュートを放ったが、ゴールキーパーのセーブに阻まれた。結局韓国はホームで内容と結果の両方で敗れた」

 そのナ・サンホは、韓国メディアに対して日本のイメージを「Jリーグでは、韓国よりも戦術的に精密なチームが多い印象」と話している。

 一方、現地メディアには、
「韓日戦 屈辱の3連敗 ホームで日本にカップを譲った韓国代表」(朝鮮日報)
「韓国サッカー 史上初の韓日戦3連敗」(東亜日報)
「ホン・ミョンボコリア 日本の2.5軍に負けた」(中央日報)
といった見出しが並んだ。

 メディアは日本戦の敗戦に怒っていた。筆者はこの日、ハームタイムにまで韓国記者に「前半戦をどう見たか?」という質問を現場で浴びた。日本が韓国をプレスで圧倒した前半を、どう理解したらいいのかわからないというような雰囲気だった。そのサッカー専門メディアの記者は日本について「かなり組織的で、フィジカル的にも以前の"パスをつなぐ綺麗なサッカー"から変化していて驚いた」と話していた。

 ちなみにこの大会期間中、韓国メディアから一番多く聞かれた質問は「今回の日本代表チームは何軍なのか?」という点だった。韓国は「1.5軍」とされてきた。日本と自国の"距離"がどれほどなのかを、わかりやすい数値で知りたがっていた。

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