サッカー日本代表の「最も暑かった」試合は? 来年のワールドカップは気候の差が大きく影響する (3ページ目)
【気候が試合結果に影響する】
欧州で暑さに悩まされたのは、2006年のW杯だけではない。
2003年にフランスで開催されたコンフェデレーションズ杯の時も、大会中に急に暑くなったことがある。
日本代表が開催国フランス(2000年EURO優勝国)と1対2の大接戦を演じたサンテティエンヌも暑くて大変だった。
というのも、サンテティエンヌは丘陵地帯にある炭鉱町で標高が高く、本来は涼しいところなので、余計に冷房の普及率が低かったのだ。
そう言えば、サンテティエンヌ滞在中にはリヨンとの鉄道で列車が牛と衝突して不通になってしまうといった珍事もあった。暑さには関係ないけれど......。
また、リヨンでの準決勝(カメルーン対コロンビア)ではカメルーンのMFマルク・ヴィヴィアン・フォエが試合中に心臓発作を起こして死亡するという悲劇も起こったが、これも暑さのせいだったのかもしれない。僕はフォエが倒れて担架で運ばれる光景を目撃して心配していたのだが、試合終了後、カメルーンの関係者が涙を流しているのを見て事態を把握した。
本来暑いはずではない国で暑くなるのもそうだが、同じ国でも地域によって気候に違いがあったりすると、それが大会の結果に影響を与えることもある。
1982年のスペインW杯がそうだった。
スペインは欧州南部のイベリア半島にあるので暑い国だ。W杯の時も1次リーグで開催国スペインが戦ったバレンシアは毎日40度近い気温だった。しかも、内陸のマドリードなどと違って、海辺にあるバレンシアは湿度も高かった。南部のセビージャやマラガも猛暑に見舞われていた。
ところが、北部のガリシア地方やアストゥリアス地方にかけては、連日のように雨に見舞われ、気温も肌寒かった。
同大会は最終的に、決勝戦でイタリアが西ドイツを破って優勝。3位がポーランド、4位がフランスという結果だったが、この上位4チームはいずれも1次リーグを涼しい北部の都市で戦っていた。
気象条件が結果に影響したことは明らかだろう。
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