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リバプールで充実の日々を送るなでしこジャパンの長野風花「街の人たちの熱量のなかでプレーできる幸せがある」 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko

【リバプールでの生活も満喫】

 その表情からは、充実しているのがひしひしと伝わってくる。それはこのリバプールの土地柄も大きく影響しているという。

「すぐそばにエバートンというチームもあって、とにかくフットボールに対する街の人たちの熱量がすごい! 小さな子どもでもすごく熱くなってるのを見るし、そういうなかでプレーできている幸せがあります。歴史あるクラブだから、その重みも感じながらプレーできるなんて......。

 エバートンにはホノちゃん(林穂之香)が来ました。今は試合に行けば相手チームにほぼ日本人選手がいる、みたいな現象が起こっています。オフに会ったりもできて心強い部分もありますが、なんか不思議な感覚です」

長野風花と林穂之香(左)。対戦後の2ショット photo by Hayakusa Noriko長野風花と林穂之香(左)。対戦後の2ショット photo by Hayakusa Norikoこの記事に関連する写真を見る 街を歩けば、コンパクトでありながら、必要なものが過不足なくあり、古きよきものと最先端のものがバランスよく混在している。どこか長野が持つ雰囲気に似ている気がする。そのせいか、彼女に街の様子を聞くと、ものすごい勢いで推しポイントがあふれ出てきた。

「リバプールの街、いいでしょ? どこにでもすぐに行けるし、海もある。あとはなんといっても人が優しい! 外から来た人間を受け入れてくれる愛があるんですよ。リバプールの中心から歩いて5分くらいのところに住んでいるんですけど、安全だし、快適すぎです。2年も住めばオフに街を徘徊する時期はさすがに終わりました(笑)。でも(徘徊)2周目に入ると、もう何をするってわけじゃないんですけど、散歩していることが多いかな。街の雰囲気が好きなんです」

 長野が、最高峰とされるイングランド女子スーパーリーグで、自然体のまま挑戦を続けられる理由がわかった気がした。

後編「長野風花が語る、自分となでしこジャパンが身につけるべきこと」へつづく>>

著者プロフィール

  • 早草紀子

    早草紀子 (はやくさ・のりこ)

    兵庫・神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。在学中のJリーグ元年からサッカーを撮りはじめ、1994年からフリーランスとしてサッカー専門誌などに寄稿。1996年からは日本女子サッカーリーグのオフィシャルカメラマンも担当。女子サッカー報道の先駆者として、黎明期のシーンを手弁当で支えた。2005年より大宮アルディージャのオフィシャルカメラマン。2021年から、WEリーグのオフィシャルサイトで選手インタビューの連載も担当。

【写真】リバプールで奮闘! 長野風花フォトギャラリー

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