ワールドカップでベスト8以上は望めるか? サッカー日本代表がオーストラリア戦で直面した難しい課題 (4ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi

【10月の2試合で見えた課題とは】

 ここでおさえておきたいのは、今回の10月シリーズ2試合で見えた課題だ。

 3-4-2-1で戦う日本から見てかみ合わせがよくない4-3-3を採用し、攻撃的な狙いで挑んできたサウジアラビアに対しては、パスワークやデュエルで負けたこともあり、主導権を握れずに自陣で5バック化しての守りを強いられた。「つるべ式4バック」の練度を上げる点も、課題として残された。

 そしてボールを支配して敵陣に押し込むことができたオーストラリア戦では、一定のレベルのチームが中央ルートを消してコンパクトに守った場合、ゴールチャンスを作るのに苦労した。相手の守備を評価すべきではあるものの、試合中の布陣変更も含めた攻撃のバリエーションは増やしたい。

 おそらく、アジア3次予選中に同じような現象に陥る可能性のある試合はほとんどないと思われる。そのなかで、W杯でベスト8以上を目指すために、今回の2試合で浮き彫りになった課題をいかにして解決していくのか。この難しい問題が、今後の焦点になりそうだ。

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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