ワールドカップでベスト8以上は望めるか? サッカー日本代表がオーストラリア戦で直面した難しい課題 (3ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi

【サイドからクロスもチャンスはわずか】

 そうなると、ボールを保持する日本の攻撃は外回り中心になる。前半、左サイドの三笘薫による仕掛けから3本のクロスを、右では堂安と頻繁にスイッチする久保の仕掛けから3本のクロスを供給。ただ、高さも含めたクロス対応に自信を持つオーストラリアに対し、フィニッシュにつなげるには至らなかった。

 後半、日本は選手を代えることで攻撃を活性化させようとはしたが、基本的に試合の構図は変わらなかった。そのなかで、オーストラリアは数少ないクロス供給から谷口彰悟のオウンゴールを誘発して先制。逆に日本は、左WBとして途中出場した中村敬斗の突破から21番(キャメロン・バージェス)のオウンゴールを誘い、1-1とした。

 結局、日本はこの試合で18本のクロスを供給したものの、チャンスらしいチャンスにつながったのは、久保のクロスを南野が頭で合わせた後半57分のシーンに限られた。

 中央攻撃の肝となる敵陣でのくさびの縦パスも、まだオーストラリアが日本の攻撃に慣れる前の前半立ち上がりの時間帯に見せた4本のみ。確かに、後半から守田が町田浩樹の左脇に落ちるように変化するなど、日本の攻撃にもそれなりの工夫は見られたが、それだけではこの試合のオーストラリアの守備ブロックを崩すための特効薬にはならなかったというのが、実際のところだった。

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