谷口彰悟「楽しみでしかない」 シント・トロイデンはひとつのきっかけで大きく変わる可能性を秘めたチーム (4ページ目)
【日本人選手にはより厳しく要求しているかも】
── 先発出場を続けていることも含めて、すでにチームからの信頼がうかがえます。
「いろいろな状況、いろいろなサッカーを経験してきているので、今のチームが目指しているサッカーを踏まえて、こういうところが狙われやすい、ここが穴になりやすいといったところも、自分なりに見えてきます。チームとして求められるポジションを取りながら、その穴やスペースを相手に与えないように、周りと連係を図っていきたいと考えています。
こういう場面に陥った時は、どう守るのか。もしくは、ピンチになる状況を未然にどう防いでいくのか。チームメイトとは、その意識を共有、もしくは理解し合えるように努めています」
── うしろには小久保玲央ブライアン選手、左サイドには小川諒也選手。前には藤田譲瑠チマ選手と、前後左右に日本人選手がいるのもプラスでは?
「周りに日本人選手が多いので、チームとしての意思統一の図りやすさはあると思っています。注意の仕方も細かく伝えられますし、もちろん言いやすさもあります。彼らが率先して対応してくれることで、周りもやろうとする意識は芽生えますからね。
だから、日本人選手にはより厳しく要求しているかもしれません(笑)。ここにいろ、戻れ、締めろ、出ろといった具合に」
── 第4節を終えて勝ち点1と、チームにとっても、谷口選手にとっても苦しいスタートになりました。
「ここまで失点が多かったので、僕の仕事は、どれだけ失点を減らせるかだと思っています。そこに対する挑戦というか、やり甲斐はあります。今は徐々にコンディションも上がってきて、自分がやれることも増えてきました。周りと相談しながら、自分が厳しさを求めたり、自分がここまで培ってきたメソッドを伝えたりしていければとも思っています。
ここからチームやチームメイト、さらには自分がどうなっていくのか、今は楽しみしかないですね。何よりシント・トロイデンは、何かひとつのきっかけで大きく変わっていく可能性や意欲を秘めたチーム。それぞれが変わっていくパワーを引き出していきたいし、個人としても、もっと存在感を示していきたいと思っています」
◆第25回につづく>>
【profile】
谷口彰悟(たにぐち・しょうご)
1991年7月15日生まれ、熊本県熊本市出身。大津高→筑波大を経て2014年に川崎フロンターレに正式入団。高い守備能力でスタメンを奪取し、4度のリーグ優勝に貢献する。Jリーグベストイレブンにも4度選出。2015年6月のイラク戦で日本代表デビュー。カタールW杯スペイン戦では日本代表選手・最年長31歳139日でW杯初出場を果たす。2023年からカタールのアル・ラーヤンSCでプレーしたのち、2024年7月にベルギーのシント・トロイデンに完全移籍する。ポジション=DF。身長183cm、体重75kg。
著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。
【写真】谷口彰悟のポジションは?サッカー日本代表「識者が考察した」アジア最終予選のベスト布陣
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