サッカー日本代表メンバー外を味わった旗手怜央 長友佑都、長谷部誠に「助けられた」 (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【長友佑都、長谷部誠に助けられた】

 試合のメンバーに選ばれなかったため、メンバー外の選手たちだけで練習を行なう機会があった。コンディションを維持するためにも、体を動かしたかったが、心のなかにはもどかしさもあり、どこかで「ここまで来て、なぜ、少人数での練習をしなければいけないのか」と思う心情もあった。

 でも、そうした安易な考えは、長友佑都さんの姿勢を見て、瞬時に吹き飛んだ。

 佑都さんも自分と同じく、2試合ともメンバー外だった。それでも佑都さんの練習に取り組む姿勢や、チームのためにやるべきこと、チームのためにやろうとすることは微塵も変わらなかった。

 メンバー外での練習で一緒だったので、佑都さんとは、たくさん話をする機会に恵まれた。そこで日本代表に対する想いについても聞かせてもらった。

 佑都さんは、インテルをはじめ、ヨーロッパの強豪クラブでプレーした経験があるだけでなく、4度もワールドカップに出場し、日本代表で142試合に出場しているレジェンドのような存在だ。その人と共に過ごした時間と会話は、僕にとっては大きく、本当にありがたかった。

 バーレーン戦が行なわれた日には、身体をケアするタイミングが重なったこともあり、自分から話をする時間を作ってもらった。

 自分の立場や状況を理解してくれているからといって、そこに同情してわざわざ佑都さんから話しかけてくることはない。そこもきっと、自分の役回りや立ち回り方を理解しているのだろう。

 でも、自分から話をしたい、考えを聞きたいと、佑都さんにアプローチすると、嫌がるそぶりもなく、何でも話をしてくれた。佑都さんから見れば26歳の若造だが、自分の考えや想いを聞き、そしてアドバイスを送ってくれた。

 そんな佑都さんの背中を見て、当たり前のことを当たり前のようにやり続けているすごさや意志の強さを感じ取った。

 また、今回の活動から日本代表に加わった長谷部誠コーチの存在にも大いに助けられた。メンバー外の練習では、ハセさん(長谷部)のもとでトレーニングを行ない、時には一緒にボールを蹴ってくれた。

 佑都さんと同じく、長くヨーロッパで戦い、日本代表のキャプテンも務めた人と一緒に活動できたことは素直にうれしかったし、励みになった。

 ハセさん、佑都さんからは、あらためて選手として大切なマインドを教えられたような気がして、勉強になった。

 チームの全体練習では、ボランチでプレーする機会も多く、(遠藤)航さんや、守田(英正)くんにも積極的に話を聞きにいった。そうした姿勢で取り組めたのも、佑都さん、ハセさんの存在が大きく、ふたりのおかげだと思っている。

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