今季引退の元なでしこジャパン・鮫島彩の高校時代の本音「3日に1回は辞めたい!って思ってた」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko

【大きかった安藤梢の存在】

――鮫島さんはいつも周りにとてもいいお手本がありましたよね。地元では安藤梢選手(三菱重工浦和レッズレディース)がいて、彼女が活躍する姿に影響を受けたそうですね。

 梢ちゃんの存在は大きかったです。彼女は16歳でもう代表に入っていて、同じチームから出た先輩で......。がんばったらあそこに行けるんだって思っちゃいますよね。夢を見れちゃってました(笑)。

 彼女は別格です。頭も良くて県内でもトップクラスの高校に行ってましたから。ただ、高校でも感じましたけど、自分は引っ張っていくよりも周りに引っ張ってもらうタイプ。だから、もう本当に頑張ってこられたのはご縁だな......ってつくづく思います。

――鮫島さんはユース時代もすごく濃い経験をたくさんされていますよね。U-19女子代表はすごいメンバーでした。

 当時の自分はサイドハーフだったんですけど、トップは永ちゃん(永里優季)、中盤には(阪口)夢穂、原(菜摘子)ちゃん、サイドハーフに私、(宇津木)瑠美、有吉佐織。後ろはイワシさん(岩清水梓)、(田中)明日菜がいて......なかなかのメンバーですね(笑)。

――ただ、最終成績は......?

 アジア予選敗退! なんで? 絶対にワールドカップ(U-20女子W杯2006)に行けたのに(笑)!

――当時は不思議でした。そのメンバーで押せ押せの展開だったのに、世界に行けないという経験をこの年代でするという。

 グループリーグで北朝鮮を破っていたんですけど、自分たちは決勝トーナメントで中国に負けて、北朝鮮がワールドカップに行った。アジアの壁は高かったけど、「でも行けたよね?」「なんで逃した?」っていう不思議な感覚でした。"世界"におあずけを食らって、ワールドカップに触れられなかったことで、"世界"に対する想いは強くなったと思います。当時からなでしこジャパンに入っていたメンバーもいましたから。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る