パリ五輪サッカー日本代表で林陵平が注目する4人 チームが機能するうえでとくに大事 (3ページ目)

  • text by Sportiva

【ポリバレントな選手の大切さ】

――では、3人目の注目選手を教えてください。

 荒木遼太郎(FC東京)選手ですね。U23アジアカップではすごく貢献度が高かったですよね。4-3-3のインサイドハーフとしても振る舞えますし、今FC東京では4-2-3-1の1トップに入り「ゼロトップ」のような形でプレーしています。戦術的なIQがすごく高いので、状況に応じた最適解を常に選べる選手ですね。技術レベルも高いですし、ハードワークできますし、切り替えも早いと。そうした点も含めて、すごく期待している選手です。

――「技術寄り」の選手がこれまでの大岩ジャパンにはそんなにいなかったなかで、最後に入ってきて非常に大きい戦力になったという感想です。荒木選手のこの足元のうまさは、やはり林さんから見ても特殊なものがありますか?

 足元の技術はものすごくあるんですけど、ボールを受ける前の「認知・判断・実行」の「認知」の部分がすごく優れています。常に首を振っていますし、ボールを受ける前から何をしなければいけないのかがイメージできています。ボールを持った時のアイデアも、ほかの選手ではできないようなプレーをするので、見ていて楽しい、ワクワクするような選手ですね。

――本人に話を聞いた時に、味方のどういうプレーが得意かは常に見ていて、「このタイミングで出してあげたほうがこの選手はいいな」とか「この選手はこの場合右足に出してあげたほうがいいな」とか、そういう細かいところも全部考えているそうです。

 だからいちばん前でもプレーできるし、インサイドハーフでもプレーできる、トップ下もできると、いろんなポジションでプレーできるわけですね。短い大会期間のなかで、選手も18人と少ないなかで、例えばケガ人が出た時にいろんなところに入ってプレーできる。これはチームとして、戦術的な幅がすごく広がる選手だと思います。

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