パリ五輪でのなでしこジャパンのメダルに期待 28年前のアスリート優位状況からテクニック&戦術の時代へ (2ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【12チームで争うパリ五輪 日本はメダルのチャンスあり】

 男子の五輪サッカーは23歳以下の選手にオーバーエイジを加えた大会だが、女子のほうはフル代表の戦いだ。女子W杯の翌年に五輪が巡って来るので、基本的にはW杯チームがそのまま五輪にも出場する(昨年のW杯でラウンド16敗退を喫したアメリカは、エマ・ヘイズ新監督の下での再出発となるが......)。それだけに、どの国もチームの完成度は高い。

 女子W杯は昨年の大会から参加国数が32に拡大されたが、五輪の女子サッカーは相変わらず12カ国という"狭き門"。

 男子にブラジルやドイツがいないのと同様、女子でもFIFAランキング3位のイングランドや4位のドイツ、そして、昨年のW杯で日本が完敗を喫したスウェーデン(6位)などが出場しない。

 したがって、最新ランキングで7位の日本は、ランキング上はスペイン(1位)、フランス(2位)、アメリカ(5位)に次いで4番目に位置しているのだ。もちろん、FIFAランキングがチームの実力を表わしているわけではないが、メダルは十分に狙える位置にいると見ていい。

 何といっても注目は、スペインと対戦する現地7月25日の初戦だろう。だが、相手がランキング1位だろうと、昨年のW杯王者であろうと恐れることはない。昨年のW杯で日本は、グループリーグで組織的な守備でスペインを完封し、カウンターから効率よく得点を重ねて4-0のスコアで圧倒したのだ。

 また、今回パリ五輪のグループリーグでスペインと対戦するということは、準々決勝ではスペインとは当たらないことを意味する。「メダル獲得」を考えれば願ってもない好条件だ。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る