田中陽子はなでしこジャパンをどう見ているのか「初招集の頃は難しさを感じたのを今でも覚えてます」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko

【代表は"選ばれるもの"】

――これだけいろんな種類のサッカーに触れて、楽しんでいると、代表という存在は田中さんのなかではどういう位置づけになっているのでしょう?

 う~ん......なんていうか、代表って"選ばれるもの"ですから。初招集の頃って私も若かったこともあって、アンダー世代とフル代表の雰囲気の違いに圧倒されちゃったんです。ワールドカップ優勝後だったし、プライドを持って戦うチームがもうすでにできあがっていて、自分はそこで楽しさを見つけることができなくて、難しさを感じたのを今でも覚えてます。それでも代表に行きたい! ってあの時の自分は思えなかった。

 今、自分のなかではやっぱり「楽しい!」って思うことが大前提にあります。自分にとっては内容、過程がすごく重要だから、あそこ(代表)は選ばれるもの、結果(代表)はあとからついてくるものだと思っています。苦しいかもしれないけど、自分がそれを楽しめるかどうかも大きいから。

――今、ヤングなでしことして一緒に戦った田中美南選手(INAC神戸レオネッサ)選手が、攻撃陣ではなでしこ最年長でがんばっています。彼女の動向は気になります?

 ハイライトでよく見ますよ。ベレーザで、ある時からフィジカルも強くなってたくさん得点し始めて、INACに入ってからプレースタイルも確立したなって思います。今もなでしこジャパンとして生き残って戦ってるんだからすごいですよ。自分のなかのミナのイメージはよく"泣く"(笑)。でもそこは必ず"がんばる!"がセットなんです。そういう感情を出せるのもミナのいいところ。活躍、応援してます!

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