五輪オーバーエイジは必要か?(2) 2016年リオ・手倉森誠は「ハリル監督から『いいチョイス』と言われたが...」 (4ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【日本サッカーの財産として受け継がれていく】

 清武が招集外となった事例は、欧州のプレシーズンに選手を招集する難しさを知らしめるものとなった。一度は招集を認められながら直前で合流できなかった久保のケースは、今後も起こり得るものだろう。さらに言えば、オーバーエイジ枠を活用することで主力のケガによる離脱を穴埋めし、短期間でチームを作り直したことも、これからの参考になるはずだ。

 手倉森監督が言う。

「予定どおりにいかなくても、選手たちは柔軟に対応し、ピッチ内でも柔軟に戦ってくれた。それは、彼ら自身の財産であり、彼らが戦い続けることで日本サッカーの財産として、受け継がれていくと思います」


【profile】
手倉森誠(てぐらもり・まこと)
1967年11月14日生まれ、青森県五戸町出身。1986年に五戸高から住友金属に入団。1993年からNEC山形でプレーして1995年に現役引退。2008年にベガルタ仙台の監督に就任して翌年J2優勝を果たす。2012年にはチーム初のACL出場権を獲得。2014年から2016年までリオ五輪世代のアンダー日本代表監督を務め、2018年までA代表コーチも歴任。2019年〜2020年はV・ファーレン長崎監督、2021年は仙台監督。2022年からタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドFCとチョンブリーFCを率いる。ポジション=MF。身長174cm。

プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る